お役立ちコラム
ポジションランプの色は変えられるのか
2023年07月13日
自動車を運転する方ならば、黄昏時や降雨時など視認性が良くない中で自動車を走らせるときに点灯させるポジションランプをご存じでしょう。
自動車の保安基準で定められており、ご自身で設置することはありませんが、視認性の向上やドレスアップのためにランプを交換する方もいらっしゃいます。
しかし保安基準でランプは細かく規定されていて、適合しないランプでは整備不良となり取り締まりの対象となります。また適合しないランプでは車検を通りません。
果たして交換は可能なのでしょうか。
ポジションランプとは
ポジションランプとは、夜間走行時に自動車の存在と車幅を対向車や歩行者に示すランプで、スモールライトや車幅灯とも呼ばれます。
ランプの色や明るさ、そして取り付けられる位置が保安基準で定められています。
ポジションランプの保安基準
平成18年1月1日以降に製造された自動車の保安基準でポジションランプは以下のように定められています。
光源:5W以上30W 以下
光度:300cd(カンデラ)以下
色:白色 (構造上でウィンカー、ハザードランプと一体になっているものは橙色も認められる)
高さ:ランプの上縁が地上から2.1mより低い、下縁が地上から0.35mより高い。
幅:自動車の最大幅から400㎜以内
大きさ:15平方センチ以上
個数:左右対称位置に2個もしくは4個
平成17年12月31日以前に製造された車の基準はこれらと異なります。
例えばランプの色に関しては白色以外に、橙色、淡黄色も認められていました。
また光源は5W以下となっていて、これらの基準を満たさないランプの位置、光量、色は認められず、整備不良の対象となり車検に不適合となります。
ポジションランプの色
前項でお話ししたように、現在走行している自動車では平成18年1月1日以降に製造された自動車は基本的に白色のランプしか使えません。
白色と認められるならば取り付けが可能ですが、その判断はご自分では難しいので、整備士やプロショップに交換を依頼します。
平成17年12月31日以前に製造された自動車は橙色、淡黄色のランプへ交換ができます。
デイライトとはどう違うの?
デイライトとは2016年10月の保安基準の改正により認められた昼間走行灯で、対向車や歩行者から自動車が接近している注意を促すために昼間の走行時に点灯するライトの事です。
近年販売されている自動車には最初から装着されていることも多く、多くはヘッドライトのユニットに組み込まれています。
デイライトは走行時には自動的に点灯しますが、昼間でも良く視認できるようにポジションランプより光量が大きく、夜間には眩しすぎるため、ポジションランプやヘッドライトを点灯する時はON/OFFスイッチに連動してデイライトは消灯もしくは減光します。
自分で交換できるの?
ポジションランプは自動車の部品の中でも比較的交換がしやすいパーツで、ランプは少ない工具もしくは工具無しで取外し、取り付けができます。
多くの国産車が「T10」という規格のランプを採用しており、「T10」規格の中でいろいろな種類のランプが販売されており、ご自分の好みに合うランプを選択できます。
カーショップなどで購入が可能ですが、ご自分の自動車に適合するかどうかチェックしてから購入しましょう。
交換時にはレンズや発光部に素手で触れないことが大切です。
なぜかと言えば、手のひらの油分が発光部に付くと、ランプの寿命を縮めるからです。
LEDランプに交換する
ポジションランプを自分で交換するときに、電球からLEDランプに交換するときには少し注意が必要です。
LEDは色温度の違いにより青みがかった光を発するため、車検の検査官によってそのポジションランプが白色ではないと判断することがあります。
車検に対応している旨の記載のあるランプを選定の目安にしましょう。また、LEDは発光時の消費電力と発熱が少ないのが特徴ですが、回路部分が発熱することが有ります。
もともと電球やハロゲン球が付いていた自動車では、LEDの発熱がランプユニットに影響を及ぼすことが有ります。
それを考慮したヒートシンク(放熱板)が付いているポジションランプを選択します。
また取り付ける際には、もともとポジションランプが付いていた場所に正しく取り付けないと、光軸や光色が変わり、整備不良と判断されることが有ります。
まとめ
自動車に取り付けられたパーツ類の中で、自動車整備士でなくても比較的簡単に交換できるポジションランプ。
好みのランプを見つけて自分で交換するのも良いですね。
ただし平成17年12月31日までの車であれば、橙色、淡黄色のランプに交換することもできますが、平成18年以降に製造された自動車は白色のランプしか認められません。
ご自分で好みのランプに交換するときには、保安基準を考慮して選定して取付することが大切です。
もし交換に不安や疑問が有るならば、プロの整備士に交換を依頼しましょう。