お役立ちコラム

ドラレコは義務化されるのか

2023年07月27日

自動車をドライブ(運転)中の風景を記録するドラレコ(ドライブレコーダー)は、「交通事故」や「あおり運転」に遭った時の記録が残り、事故原因の考察や相手方の運転や態度が証拠として残り当事者同士の話し合いの際の記録として有効です。

あおり運転が話題になってから、多くの人がドラレコを装着するようになりましたが、今後(2023年時点)ドラレコの装着は義務化されているのでしょうか?
また、その他の記録媒体が自動車に装着されることが有るのでしょうか。

ドラレコは義務化されるのか

ドライブレコーダー

ドラレコとはドライブレコーダーの略称ですが、現在自動車を運転する人の中ではご存じない方はもういらっしゃらないと思われます。

ドラレコは自動車が走っているときに前方だけが記録されるものから、あおり運転が話題になってからは、後方や360度全方向が記録されるものが増えてきました。

また、車上荒らしやパーツの盗難、いたずら書きなどの対策のため、駐車している間も絶えず録画できる機種や、何者かが車に触れた振動を検知したら動画を記録し始める機種も増えてきました。

自己防衛のためにカーショップなどで装備される方が多く、新車ではディーラーオプションで取り付けが可能です。

ドライブレコーダーのメリット

万が一事故に遭ってしまった、もしくは事故を起こしてしまったときに、事故原因の分析の役に立ち、事故の過失割合の検証に役立ちます。

当事者の記憶から解析するだけでは警察や保険会社の判断が難しいケースも、客観的に判断できます。

現在では事故時に周囲にいた自動車のドラレコ記録を収集することも可能となり、より正確に判断ができるようになりました。

あおり運転や、車上荒らしの証拠として、またタクシーや乗り合いバスの車内で起きたトラブルの記録として警察に提出できます。

ドライブレコーダーのデメリット

位置情報や時間また車内の音声などが常に記録されるためプライバシーの侵害や、個人情報の漏洩につながる恐れがあります。

また、ドライブレコーダーは万能ではなくモデルごとの性能により記録できる画像の鮮明さが違い、前方以外の映像記録の有無、駐車時の記録ができる機種とそうではない機種があり、その機能の有無はドライブレコーダーの価格に反映しています。

また多くのドライブレコーダーはSDカードに記録を残しますが、カードの入れ忘れやカードの不良により記録が出来ないケースもあります。

貸切バスの場合

2016年に発生した軽井沢スキーバス事故を踏まえて、国土交通省は平成29年12月以降販売される貸切バスの新車については全車に、それ以外の貸切バスについても平成31年12月にドライブレコーダーの装着と記録の保存が義務付けられました。

EDR義務化

アクセルやブレーキを操作した記録を保存するEDR(イベント・データ・レコーダー)という装置があります。

東池袋自動車暴走死傷事故ではブレーキが利かなかったという加害者の主張に対し、アクセルを踏み続けていたというEDRの記録が裁判で証拠として提出されました。

これらの事象を踏まえて国土交通省は2022年7月以降にリリースされる新型車についてEDRの装着を義務化しました。

バックモニター

一般的な乗用車であっても、背の低いお子さんが自動車のすぐ後ろに立っていても運転者から死角になって見えないことが良くあります。

それが原因でいくつかの事故も起こっています。それらを踏まえて2022年5月以降に新たにリリースされる自動車について「後退時車両直後確認装置」の装着が義務付けられました。

「後退時車両直後確認装置」とは後方にカメラを設けたバックモニターや後退時に後方の障害物を検知してアラーム音などで運転者に知らせるバックソナーの事で、後退時に車両の直後の状態が見えにくいトラックや大型バスはもちろん、二輪車を除くすべての新車に義務化されました。

また、2024年以降すでに販売されている現行モデルにおいても新車で販売する場合は「後退時車両直後確認装置」の装着が義務化されます。

この義務化される「後退時車両確認装置」について、後方カメラの映像やバックモニター動作時に記録することは求められていません。

また新車以外の、すでに登録済みの(所有されている)自動車に対しての「後退時車両確認装置」の装着義務はありません。

まとめ

本来、事故に遭ってしまったときの記録を残す目的で開発されたドラレコも、現在はあおり運転や盗難などの記録ができるだけではなく、ドラレコの装着をアピールすることでそれらの予防にもつながります。

メリットの多いドラレコですが、装着には費用が掛かることとプライバシー保護の観点から義務化はまだ先のことになりそうです。