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ディーゼルインジェクターの詰まりで起こる症状とは?原因も解説

2023年02月06日

ディーゼルエンジンには、専用のインジェクターが搭載されています。
インジェクターは最適な燃料を噴射する方法で供給するパーツです。
このインジェクターは、定期的なケアが行えない車両は、詰まり症状が起こる可能性があります。

この記事では、ディーゼルエンジンに搭載されるインジェクターで起こる詰まり症状について解説します。
エンジンの調子が悪い原因は、インジェクターの詰まり症状の可能性があるので、早めに点検・整備を行いましょう。

ディーゼルインジェクターの詰まりで起こる症状とは?原因も解説

詰まりが起こる!ディーゼルのインジェクターとは

車のエンジンは、液体燃料を燃焼させた力で動いています。
液体燃料を噴射させる役割を持っているのがインジェクターです。
インジェクターは、燃料を最適な噴出量やタイミングをコンピューター制御により供給します。

ディーゼル車の場合、燃料が軽油のため一般車両に搭載しているインジェクターと比較し高噴射圧する性質があります。
高圧噴射によりエンジン内部の温度が高くなる傾向があるため、定期的なケアを行わないと詰まってしまう可能性も秘めているのです。

ディーゼル車に乗っていて加速力の不足や上り坂での踏ん張りが利かないなどの症状を感じるときは、詰まり症状を疑いましょう。
アイドリングが不安定となると、車体が大きく揺れる場合もあります。

エンジンを動かす大切な役割を担う

エンジン内部の燃焼室で燃料を送り出す重要な役割を担っているのが、フューエルインジェクターです。

インジェクターの正式名称は、フューエルインジェクターですが、通常は省略した形で呼ばれています。
燃料と空気で生み出された混合気が、プラグに着火してエンジンが動くものです。

インジェクター内部は燃料を噴射するため、高い圧力がかかります。
コンピューター制御の元で先端から噴出される仕組みです。
コンピューターの制御では、以下のメリットがあります。

● 燃料消費の節約
● エンジンの始動性が向上
● 排気ガスのクリーン化

コンピューターは、空気の流量をセンサーによって解析し、噴射量・タイミングを判断します。
そのため、最適な燃料を供給できます。

しかし、詰まり症状が起きるとエンジンがうまく始動できません。
早めの修理・点検が必要です。

さまざまな種類がある?

インジェクターは、燃料の吸入方式によって2種類に分けられています。
ガソリンエンジンに搭載しているインジェクターは、ポート噴射式でガソリンエンジン用です。
エンジン内部に燃料を噴射し空気と混ぜて、動力を生み出します。

ディーゼルエンジン車両に搭載しているインジェクターは、気筒内直接噴射式です。
ディーゼルは軽油が原動力のため、直噴型のインジェクターでないとエンジンが動きません。

ガソリンエンジンとは違い、吸入するときに空気だけが吸入するため、直接シリンダー内に軽油を噴射する仕組みです。

ディーゼルエンジンの内部は、ガソリンエンジンよりも強く圧縮された空気が起こります。
高温になるため燃料を噴射すると、自然発火が起きる可能性があるのです。

ディーゼルインジェクターの詰まり症状は洗浄で解決!

インジェクターが詰まると次のような症状が起こります。

● エンジン出力が低下
● トルクの低下によりパワーが足りない
● エンジンストールの発生

上記の症状がある場合は、修理・点検の相談をすぐに行いましょう。

一般的に、詰まりの多くは洗浄で解決できます。
しかし、原因が違う場合は深刻なトラブルに発展する可能性があるので、気をつけてください。

詰まり症状になる3つの原因

インジェクターが詰まる原因は、主に3つのゴミや汚れが原因だと考えられます。

● カーボン(炭素)
● スラッジ(燃えカス)
● ワニス(油膜)

すべて、燃料が燃えた結果で生まれた不純物です。
長期間放置した車両や定期的にメンテナンスをしていない車両の場合、上記の不純物が固着してしまい詰まります。

詰まりなどを防ぐためにも、定期的にインジェクターの洗浄を行いましょう。
トラブルを軽減できるだけでなく、整備コストの削減につながり稼働時の安定性が向上できます。
長く乗り続けるためにも定期的な点検・整備が大切です。

なお、インジェクターの寿命が考えられる場合は、洗浄では解決しないので、プロの整備士に相談してください。

交換・修理費用

インジェクターの交換・修理費用は以下の通りです。

洗浄 100,000円
 交換:シングルポイント 23,000~28,000円
交換:マルチポイント  98,000~135,000円
交換:筒内噴射式  188,000~315,000円

車種によって交換が必要になるインジェクターの数が違うため、上記のような価格相場が一般的です。

インジェクターは、推奨される交換時期がありません。走行距離やドライバーにより差が生じるためです。
考え方によっては、走行距離が15万kmを超えたら交換を検討しましょう。

まとめ

ディーゼルのインジェクターは、詰まり症状が起きやすい傾向があります。
噴出口が詰まると、加速が足りなく感じたり、アイドリング時に振動が大きくなったりするため、快適性が落ちます。

定期的に洗浄して、トラブルを予防できるように検討してください。
また、不具合が生じた場合には、すぐに修理・点検を依頼しましょう。